切削をはじめとする樹脂・金属のあらゆる加工、材質転換のことなら

樹脂金属切削加工.com

produced by 株式会社ハンシン

営業時間 / 平日9:00~17:00

技術コラム

PEEKの切削加工

耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性などの優れた性質を持つPEEKですが、切削加工を施す際にはどのようなポイントを押さえなければいけないのでしょうか?
今回は当社のPEEK加工事例を交えて、押さえておくべき3つのポイントをご紹介します。

 

優れた特性を持つPEEK

PEEKとは、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(poly ether ether ketone)の略であり、汎用樹脂よりも様々な面において高性能な樹脂であるスーパーエンジニアリングの1つです。摩擦、熱、放射線に対し、優れた耐性を持ちます。耐熱性に関しては、最高260℃もの連続使用温度を誇ります。他にも硬度、機械特性、難燃性、寸法安定性、絶縁性に優れており、特に耐薬品性に関しては、エンジニアリングプラスチック(以下エンプラ)の中で最も高いレベルにあると言えます。
この優れた特性から、腐食性のガスや溶剤などが用いられる環境の部品や、高温に達する自動車のエンジン部品、航空機の配管部品などにも使用されています。
ただ、唯一の欠点として、高価であるということが挙げられるため、PEEKが使用される箇所は限定されます。

 

PEEKを切削する上で押さえておくべき3つのポイント

前章で述べた通り、優れた特性を持つPEEKですが、切削する上で、どのようなポイントが必要とされるのでしょうか?
当社の実績を踏まえて、3つのポイントをピックアップしてご紹介いたします。

 

切削条件の調整

1つ目は、切削条件の調整です。PEEKは非常に硬い素材であるため、加工を行う際に切削条件や切り込み方法を上手く調整しなければ、欠けてしまう可能性があります。(※詳細な切削条件や切り込み方法は各加工先によりブラックボックス化されています。)また、径が細い刃物を使用した際には、刃物自体が折れてしまうこともあります。

 

必要に応じた熱処理

2つ目は、必要に応じた熱処理です。例えば、薄肉部品などの歪みが発生しやすい形状であれば、事前に熱処理を行った上で、加工を行う必要があります。

 

使用する工具の管理と選定

3つ目は、使用する工具の管理と選定です。前述の通り、PEEKは非常に硬い素材であるため、工具の寿命が比較的短くなります。使用する工具としては、ハイス工具では削れない、または消耗が激しい場合があるため、超硬刃物が適しております。特に超硬刃物の中でも、優れた高硬度(低摩耗抵抗性)を持つDLCコーティングを施したものであれば、安定した切削を実現できます

 

当社のPEEK加工事例

半導体製造装置用 ジョイント

PEEK製 ジョイント

こちらは、PEEK樹脂のジョイント部品加工例です。5軸加工機を用いて製作しております。完成品の計測データの提出も必要でしたが、社内にて独立した検査部門を有する品質管理体制も決め手となり、製作とあわせて3次元測定器による計測データ提出まで実施しております。

>>詳しくはこちら

 

PEEKの切削加工なら当社にお任せください!

今回は、PEEKの切削加工で押さえておくべき3つのポイントをご紹介しました。優れた特性を持つPEEKですが、硬度が高いという特性も持つため、前述の3つのポイントを押さえなければ、十分な切削ができない可能性があります。

樹脂・金属切削加工.comを運営する株式会社ハンシンでは、長年にわたり、樹脂及び、金属の切削加工を行なってまいりました。その中で培ってきた樹脂・金属の切削加工に関する豊富なノウハウ・経験を活かして、樹脂金属の高精度篏合部品の製作や、生産数量に合わせた加工方法をご提案可能です。

さらに、当社では広大な敷地を活かして豊富な樹脂在庫を常備しており、五面加工機や五軸加工機、複合加工機を保有しているため、短納期対応が可能です。樹脂及び、金属の切削加工に関するお悩みがございましたら、是非当社にご相談ください。