POM(ジュラコン / ポリアセタール)の切削加工
POM(ジュラコン / ポリアセタール)について
POM(ジュラコン / ポリアセタール)は、エンジニアリング・プラスチックの一種で、バランスの取れた、機械的性質のよい樹脂です。
POMはポリアセタール樹脂の略語です。また、POMを製造しているポリプラスチックス株式会社の商標を「ジュラコン」と呼びます。(アメリカに本社のあるデュポンのPOM商標は「デルリン」と呼ばれています。)
POM(ジュラコン / ポリアセタール)の特徴
POMは、機械的強度、耐摩耗性、耐薬品性、摺動性、電気的特性がよく、特に耐疲労性に極めて優れています。また、寸法安定性にも優れているため、樹脂の切削加工における定番材質といえます。
ただし、分子中に酸素を多く含んでいるため、燃えやすく対候性は良くありません。また、強酸に対する耐性がありません。
2022年現在、求められている、POM(ジュラコン / ポリアセタール)の代替材質
コストも比較的低く、汎用性が高いため、あらゆる業界で広く採用されているPOMですが、現在(2022年11月時点)、サイズによっては入手が困難となっています。
そこで、樹脂・金属切削加工.comを運営する株式会社ハンシンでは、POMの在庫をできる限り抱えておくことはもちろんのこと、POMの代わりとなる樹脂をご提案しています。お客様の求める用途によって、樹脂のプロが、塩ビやUHMW、MCナイロンなど様々な樹脂から最適な材質をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
POM(ジュラコン / ポリアセタール)の加工事例
射出成形用フランジ部品
こちらは、射出成形による量産前の、試作品としてご依頼いただいた、射出成形用フランジ部品です。
当製品は成形にて量産する前提の形状につき、全体的に薄肉で補強リブにて強度を持たせる設計になっています。このような形状を切削加工すると、細い刃物で少しずつ削っていく必要があり、時間がかかります。
しかし当社では、5軸加工機の旋盤機能により、粗加工でリング形状にしたのち、そのままのチャッキングでリブ周辺の掘り込み加工を行うことができます。そのため、チャッキング回数、加工工数を短縮でき、結果としてリードタイムの短縮を実現しています。
ブッシュ圧入治具
こちらは、アルミ切削のヒンジ部品奥にブッシュを圧入する樹脂製治具とステンレス製挿入棒を製作した事例です。
ヒンジ部品自体も加工し、納入後にお客様からブッシュを挿入する為の樹脂製治具を製作してほしいとのご相談をいただき、専用治具を設計・製作いたしました。
挿入作業はお客様にて行うのですが、ボール盤を使って垂直方向から作業ができる仕様で、ヒンジ部品自体の支え箇所を工夫し、簡単でクイックな作業が可能な治具形状になっております。
POM(ジュラコン / ポリアセタール)の切削加工なら当社にお任せください!
こちらの記事では、POMの特徴と加工事例についてご紹介いたしました。
樹脂・金属切削加工.comを運営する株式会社ハンシンでは、広大な敷地を活かして、五面加工機を始め、五軸加工機や複合加工機を保有しています。また、樹脂在庫を常備しており、短納期対応が可能です。
長年にわたり、培ってきた樹脂の切削加工に関する豊富なノウハウ・経験を活かして、お客様が求める機能用途やコストに応じて最適な材質を提案することが可能です。また、金属の加工にも対応しています。
樹脂及び、金属の切削加工に関するお悩みがございましたら、是非当社にご相談ください。