技術コラム

PVDF（ポリフッ化ビニリデン）について

PVDF（ポリフッ化ビニリデン）は優れた機械的強度と耐薬品性を持つフッ素樹脂の一種です。フッ素樹脂は、フッ素原子を含むプラスチック原料の総称であり、PVDFの他に、PCTFE、PFAなど様々な種類があります。それぞれの種類によって性質が少し異なりますので、注意が必要です。

＞＞フッ素樹脂とは？フッ素樹脂の切削加工におけるポイントをご紹介！

PVDFは機械的強度において、フッ素樹脂の中でもトップクラスの性質を持ちます。また、熱安定性にも優れており、耐熱温度は150℃ほどと言われています。その他にも、圧電性や強誘電性などの電気特性、耐放射線性、耐候性などにおいても優れた性質を持ちます。

PVDF（ポリフッ化ビニリデン）の用途

前述の通り、優れた性質を持つPVDFですが、用途としては高強度、耐薬品性、耐熱性が求められる製品に用いられます。例えば、身近なものであれば、その強度を活かして、釣り糸や弦楽器の弦として用いられています。また、優れた耐熱性から半導体製造工場の熱水の送水ラインに、優れた耐薬品性から医療機器部品に用いられることもあります。これらの製品を量産する際は、主に射出成形が用いられますが、試作・単品の際や、射出成形では実現が難しい形状である場合は切削加工が用いられることが多々あります。その際に、押さえておくべきポイントについて解説いたします。

PVDF（ポリフッ化ビニリデン）の切削加工におけるポイント

PVDFの切削加工を行う際は、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
まず、PVDFは強度が高いため、バリが出やすいということです。
また、粘りが弱い素材であるため、その脆さにも気を付けなければなりません。
その他にも熱が蓄積されやすいという性質を持つため、加工時にPVDFが溶けてしまう恐れがあります。これらを解決するためには、工具の送り速度や使用する刃物など、適切な加工条件を整えた上で、加工を行う必要があります。

当社のフッ素樹脂加工事例

半導体製造装置用 マニホールド

こちらは半導体製造装置用のマニホールド部品です。耐薬品性が求められていたため、テフロンを採用しています。

当製品は流体継ぎ手の為、液漏れ、液だまりを発生しないよう内部の円形の空洞に高い面粗度が要求されていました。当社にて特殊な工具を用いて、継手内部のお客様のご要望であった面粗度を確保しています。

＞＞詳しくはこちら

3次元形状 大型接手

こちらは、半導体製造装置用の大型継手部品です。当製品は、試作部品であったため、金型製作費用が掛かる射出成形ではなく、切削加工で製作する必要がありました。ただ、接合される相手方のパイプ外径に合わせて3次元形状、かつ薄肉形状であるため、切削が難しいものでした。特に3次元形状では厚みを均一に加工する技術が要求されます。

＞＞詳しくはこちら

PVDF（ポリフッ化ビニリデン）の切削加工なら当社にお任せください！

樹脂・金属切削加工.comを運営する株式会社ハンシンでは、長年にわたり、樹脂及び、金属の切削加工を行なってまいりました。その中で培ってきた樹脂・金属の切削加工に関する豊富なノウハウ・経験を活かして、お客様が求める機能用途やコストに応じて最適な材質を提案することが可能です。

さらに、当社では広大な敷地を活かして豊富な樹脂在庫を常備しており、五軸加工機や複合加工機を保有しているため、短納期対応が可能です。樹脂及び、金属の切削加工に関するお悩みがございましたら、是非当社にご相談ください。